昭和26年10月 雁皮紙 12×18cm
死の二ヵ月前に書かれたもの。作品として書かれたものではないが、ことばも筆のはたらきも、「至心の結晶」である。丸山敏雄はこの紙片を専用の皮財布に入れていた。 運筆はおおらかで 軽やか。鋒先がよく立ち、抑揚があり、線は暢達し充実している。 文字の構えも大きく、 余白が澄んで生き生きとしている。言葉にこめる思いが、そのまま筆のはたらきとなって表れている。